次世代型ワクチンプラットフォームを基盤とするCOVID-19ワクチン開発研究

研究代表者
吉田 栄人
所属・役職
医薬保健研究域 薬学系 教授
研究分野
ワクチン・免疫科学
プロジェクトメンバー
吉田 栄人 (医薬保健研究域 薬学系 教授)
伊従 光洋 (医薬保健研究域 薬学系 准教授)
水野 哲志 (医薬保健研究域 医学系 助教)
市村 宏 (医薬保健研究域 医学系 教授)

研究の概要

 我々が最近開発した強力な次世代型ワクチンプラットフォームはマラリア感染に対して100%防御することに成功しています(動物モデル)。このワクチンプラットフォームは2種類のウイルスベクターからなる金沢大学発の純国産マラリアワクチンとして権利化済み、他の追従を許さない高いオリジナリティーがあります。このワクチンプラットフォームを用いてCOVID-19 ワクチンを開発します。ワクチンの評価は、動物に免疫して得られた血清がSARS-CoV-2 ウイルスを中和する活性度を数値化することで行われます。中和活性実験は、SARS-CoV-2 ウイルスを用いない方法(本申請の恒温室BSL2)および用いる方法(新設するBSL3)で行います。

想定される研究成果

 現在COVID-19 ワクチン開発は世界で140種、そのうち11種は臨床試験に入っています。しかし、どのワクチン候補もかつてHIV, 結核、エボラ等の研究で成果が得られなかったものばかりです。一方、我々のワクチンプラットフォームはマラリア感染に対して卓越した効果を得ており、Made-in-Kanazawa ワクチンの大きな期待があります(差別化、優位性)。
 緻密に作成されたプロトコールに従って得られる本研究成果は、次のステップである臨床試験に進む貴重なデータとなり、AMED 等のCOVID-19 ワクチン臨床試験支援を獲得できる大きなチャンスともなります(将来性)。
 効果に加えて重要視していることは安全性です。我々のワクチンは全世界の人々に長年接種されてきた安全で有効なワクチンを技術基盤として改良を加えて作製しています。高い安全性が予想されますが、それでも十分に動物実験で検証を行った後に臨床試験に入る計画です。先行ワクチンよりも時間が掛かりますが、若者や医療従事者に安心して接種して頂く上では不可欠な開発過程を踏んで行きます。